■ 同人ゲームまとめ動画まとめ
思いつきで始めた「同人ゲームまとめ動画」ですが、2度を経て夏冬のデータが揃いましたので、
今後のためにもちょっとした傾向や考察などまとめておこうかと思います。
寄稿して頂いている側の方のお役に立てば幸いであります。

[同人ゲームまとめ動画 公開ページ]
・C82版
・C83版

● データ提出時期
早く届いた方が楽とは言ったものの、基本的に大体ギリギリで届きます!
いや、こちらも開発の人間なのでその気持ちは分かるというか、
うちの動画もギリギリで作ってるのでどうこう言えないのですが、
どのくらいギリギリなのかというとこのくらい。

提出時期 夏(C82) 冬(C83)
一週間以上前 10本 (26%) 5本 (18%)
1〜6日前 14本 (36%) 14本 (50%)
〆切当日 15本 (38%) 9本 (32%)

一週間以上前に提出されているのは全体の2割ほどで、〆切り当日に3割以上、4割近く届いてます。

また冬は一週間以上前の動きがかなり寂しくて、冬が如何に期間的に厳しいか感じさせてくれます。
コミケへ向けたテンションの上がり方との関連を感じますが、
夏よりも冬の方が「もう冬コミ!?」といった感じで、ギリギリになるまで“その気”にならないっぽいです。
冬は 「出そうと思ってたけど動画の用意が間に合わんかった」 ともよく言われました。

ちなみに動画制作側としては、早く届けば楽は楽なのですが、「一気に沢山届くとツラい」 が一番でかいです。
特に〆切り当日だと沢山届く上に余裕がないので、データに不具合や違和感があった場合の対応が雑にならざるを得なくなります

● 提出方法
提出方法はお任せに近い状態ですが、さすが同ソジャンルというか、
サークル専用のWebスペースやサーバーを指定される方が多いです。

次点ではオンラインストレージとして「firestorage」を指定される方も多いです。

提出方法はこのどちらかを選べば良いのではないでしょうかという感触。

● 提出される動画
形式としては大体 MP4 で届いています。高画質エンコードされていればこちらとしても MP4 推奨です。
非圧縮AVI は今のところ見かけていませんが、中間形式系は極稀に届きます。中間形式については後述で。

同人ゲームの解像度やアス比は結構カオスな感じですが、届いてる動画ソースの分布だとこんな感じ。

4:3 夏(C82) 冬(C83)
480x360 1
512x384 3 1
640x480 6 4
800x600 3 3
960x720 2
1024x768 1
1280x960 1
1440x1080 1
16:9 夏(C82) 冬(C83)
800x450 1 1
864x486 2
1024x576 3
1280x720 16 15
1920x1080 1 2

1280x720が極端に多いのは、最終的な動画形式がそうと伝えているからだと思います。標準720pのゲームも多いですけどね。

プレイしている感覚だと640x480のゲームはどんどん減っていて、C81やC82辺りでは800x600辺りが多く、
そして今はワイド(16:9)のゲームが段々と増えてきている気がします。

● 制作工程、かけてる加工など
まとめ動画の映像制作はほぼ「aviutl」一本で行なっています。
フリーソフトですが、カット編集だけなら個人的にはAdobeのPremiereよりは断然使いやすいです。軽いし。


 【映像の加工】
頂いた動画ソースをまずアス比保持した上で縦720に拡縮、30fpsにして中間形式へエンコードします。

中間形式とは、試聴用ではなく編集を前提とした非劣化の形式です。
動画編集時は何度も動画をエンコードすることになったりするのですが、通常の試聴用形式でエンコードしていると
その度に品質が劣化していったり、シークが上手くいかなくて変な途切れ方をしたりすることがあるので
編集中はこの形式でやり取りします。

中間形式の例を2つほど。僕は前者を使っています。
・UtVideo
・Huffyuv

基本的に映像への加工は拡縮以外に行いませんが、
映像ソースの画質が悪い場合には若干のノイズ除去をかけたりします。


 【音声の加工】
音声は映像とは分離してWavに吐いておきます。理由は2つで、
1.別のツールで音声の調整を行うため。
2.映像は映像、音声は音声で分けて編集して、最後に合成(MUX)した方がトライ&エラーに強い

音声の編集には Sony の SoundForge を使用。
こちらで行う加工は2つです。

・終了時にぶつ切りになっている場合、ほんの少しフェードアウトさせます。

・作品間で急激に音量が変化しない様に多少整えています。
 また音量が極端に小さいものや大きいものは可能な範囲で調整しています。




 【映像編集】
aviutl の拡張編集を使って、各作品の動画を繋いでいきます。
拡大

完了したら、映像と音声をそれぞれYouTube用、ニコニコ動画用の設定でエンコードします。
映像はMPEG4(H.264)、音声はAACで作成し、後でそれらを合成(MUX)して完成。
MUXにはYambというツールを使用しています。

● 公開後
動画はYouTubeとニコニコ動画にアップされています。

【現時点での再生数】
夏(C82) 冬(C83)
YouTube 58327 24230
ニコニコ動画(Part1) 23953 16735
ニコニコ動画(Part2) 15962 13371
ニコニコ動画(Part3) 13297 10624
ニコニコ動画(Part4) 13617
YouTube(オリジナルのみ) 12858

C82版は国内海外共に多くのサイトに取り上げられたり、ニコニコでの大きな広告支援があったせいか
C83版よりも結構閲覧されてる結果になってますが、それ以外にも要因があるのかはなんとも言えません。

C83では4Gamerと連携して同時公開をしてみました(先方のポリシーとしてオリジナルのみを扱っています)。
これが思いの外に閲覧されている様で、4Gamerあなどれないなと思っているのが正直なところ。
反面、YouTubeの本体再生数に関しては多少分散しているかもしれません。

そもそもの再生数に関しては、これを少ないと見るか多いと見るかといったところですが、
オリジナル同人ゲームなんて動画再生数2ケタ3ケタとかザラなので、無駄ではないと思いたいっ!

ちなみにデータの提出時期でも、冬は夏よりもギリギリ感がすごいと触れましたが、
動画の再生数を見るとユーザー側にもその傾向はあって、
冬は再生数の曲線がコミケ直前…どころか開催から急激に伸びてたりします。
スマホなどの普及により、移動中(特に新幹線とか)や現地での開場待ちで多く閲覧されてるみたいです。

● 最後に
「身内ネタにしかならないんじゃないか」という疑惑をかなり強く持ちながらも、
何もやらないよりはやってみよう。と、割とダメ元で始めた企画だったりするのですが、
まとめ動画で作品を知って、実際に入手したという声もちょこちょこ聞いたりすると、やって良かったなーと思ったりします。

プレス数を決めてプレスして、会場での頒布、ショップ委託と全てこなしていると、
ユーザー1人の元に1本届く大切さなんてものを感じさせられるのですが、
まとめ動画が、ちょっとでもユーザーと作品が繋がるのに役立っているなら嬉しいです。

あと、何かにつけて継続することっていうのはきっとすごく大切だと思ってるので、
なるべく次回以降もやれたらとは考えてます。
興味のあるサークルさんは参加して頂ければ!



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